高病原性鳥インフルエンザ(4)

Lancet.H5N1.1998.pdfにおいて比較的軽症と重症例を比較している。どう分析するか?列挙せよ。

  1. 1.重症例の平均年齢が高い。このことはスペイン風邪で基礎疾患の無い20~30台の死亡率が高かったことを思わせる。
  2. 2.下気道症状の頻度が重症例で多かった。
  3. 3.白血球減少例が重症例で多かった。
  4. 4.肝機能、腎機能障害を示す症例が重症例で多かった。

結局、このアウトブレイクでは18人のH5N1インフルエンザがみつかり、6人が死亡した。重症化してから入院し、そのため30%を超える高い死亡率となった、実際には感染しても発症しない人が多いとすると、本当の感染者致死率はもっと低いかもしれない。また、このような疑問と並行して、人から人に感染するのか、するとすればどれくらいの感染力か、無症候性の患者はいるのか?というキークエスチョンに立ち返る。1997年1例目がでた時点で疫学調査をしてはいるが、中途半端な結論しか得られていない。この18例に関与した病院スタッフ(Health care worker: HCW)から採血して血清H5N1中和抗体を測定できるとして、あなたならどのような調査をするか?

ヒント(1):患者が入院する同じ病棟で仕事をする病院スタッフと異なる病棟での者を比較してみてはどうだろう?香港では巷に家禽があふれている。病院スタッフも病院で感染する機会以外に私生活で家禽から感染する可能性もある。また前回の調査では同じ保育園の児童というだけで暴露グループになっていたが、患児が発症する前に同じ空間でしばらく時間を過ごしただけでは感染する数も少なかったに違いない。対象となる人が調査期間中インフルエンザ様疾患に罹患していないかどうかも重要な調査項目となる。

ヒント(2):暴露群、非暴露群、感染期間、関連疾患(インフルエンザ様疾患だけに絞ると軽症を見逃してしまう可能性がある)を定義せよ。

結果を血清H5N1中和抗体の上昇とし暴露をH5N1患者入院病棟で勤務とする後ろ向きコホート研究。

  1. 1.暴露HCW: H5N1患者の入院する病棟に、患者の感染期間に勤務した。
  2. 2.非暴露HCW: H5N1患者の入院する病棟に、患者の感染期間に勤務しなかった。
  3. 3.暴露期間:入院日より発症後14日まで、あるいは適宜ウイルス培養を行い結果が陰性になるまでのどちらか早い方。
  4. 4.一過性関連疾患:H5N1患者感染期間に接したHCWが、接触後1~4日に発症する呼吸器疾患。
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