炭疽菌(4)

10月18日(木)、西トレントンの郵便物運搬人が皮膚炭疽に罹患した。彼女は郵便局職員の中では最初の患者である。西トレントンはブロコウとダッシュルの手紙が通過したところだ。西トレントンからの郵便物はハミルトン タウンシップのプロセス・センターに行く。ここは、トレントン地区の46の支店を束ねていたのである。米国郵便サービス上層部は、10月15日(月)に「ハミルトン タウンシップは汚染されていない」と職員に向けて発表したばかりだった。しかし、水曜の検査の結果では23の検査中13が陽性だったのである。郵便職員が診断された木曜、米国郵便サービスはハミルトン タウンシップを更なる検査のため閉鎖した。金曜、西トレントンの郵便局も閉鎖された。そして同日金曜、ハミルトン職員も皮膚炭疽と診断された。
CDCが調査に来る前に状況は悪くなっていた。あなたは米国郵便サービスの常務であり、意思決定することができる。何をするか?

ハミルトン タウンシップの職員にシプロキサン抗生剤内服をアドバイスした。市は何も支援してくれなかったため、ハミルトンの職員は、自分の主治医にお願いしてシプロキサンを処方してもらうしかなかったのだ。この支払いは米国郵便サービスの出費でまかなわれた。

10月18日(木)の晩、地域病院にブレントウッド職員が炭疽菌感染症疑いで入院したとの報告が入った。10月20日(土)、吸入炭疽の確定診断。DC保健課はこのことを公開しようとしたが、市長は会議で「まずはブレントウッド職員の検査を施行し、抗生剤を支給しよう」と述べ、ブレントウッドの1800人の職員に対してスワブによる鼻前庭の培養検査と10日間のシプロキサンを提供したのだった。
10月21日(日)の晩、事態はさらに悪化した。夜8時45分、ブレントウッドの別の職員がメリーランドの病院で吸入炭疽のため死亡したのである。モリスは何度も医療機関を受診していたが、病院医師は、それが吸入炭疽であることには気付かなかった。10月22日(月)朝、さらにもう1人のブレントウッド職員も救急車でメリーランドの病院に運ばれ、その日の午後に死亡した。彼も日曜に病院を受診していたが、炭疽菌感染症を疑われず帰宅してしまっていたのだ。
異なった対応をしていたら、異なった結果になっていたと思うか?

ダッシュル上院議員の事務所に炭疽菌を含む郵便が送られてきたのが判明した時点、すなわち10月15日に、ニュー・ジャージのトレントンから事務所までの経路で関与する郵便局員1500人に鼻前庭のスワブ検査とシプロキサン暴露後予防内服していたら、犠牲者は郵便局員の中に発生していなかったかもしれない。CDCおよびDOH、FBIの判断ミスである。

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