炭疽菌(2)

9月18日NBCニュース、ニューヨーク・ポストにあてた手紙がニュー・ジャージのトレントンから投函されたことを突き止めた(おそらく、CBS、ABCにも同じパターンで手紙が送り付けられたと想定されるが、その原因となった手紙は結局発見されなかった)。これがニューヨーク・モルガン局を経て4つのメディアに届いた。

10月19日、ニューヨーク・ポストの皮膚炭疽に罹患したヒューデンの作業場で未開封の手紙から炭疽菌が発見された。その炭疽菌はベビーパウダーのようになっており、空中に舞いやすいが、すぐに舞い落ちてきた。ニューヨーク市保健監のコーエン博士は「触っただけで炭疽になることもないだろう。人々の健康を脅かすほどのものではない」とメディアを通じてコメントした。

このようなコメントを受けて人々はどのような行動にでたと思うか?

そのようなパニックを抑えようとする声明では、人々の心を落ち着かせることはできない。多数の白い粉のいたずらが横行し、人々はマスクと抗生剤シプロキサンのストックに走った。

第一波は9月18日トレントンに投函された炭疽菌を忍ばせた5通の手紙による。

再び、世間が騒然となった。10月15日、炭疽菌入りの手紙がトム・ダッシュル上院議員事務所に届いたからである。その手紙の消印は10月9日となっており、他の手紙と同様にニュー・ジャージのトレントンで投函されていた。封筒はテープで封印されていたが、中には白い粉が入っており、差出人はある小学校であった。ダッシュルの補佐官は隣の部屋で行われていた会議に割って入り、白い粉が届いたことを報じた。ダッシュル自身は事務所には居なかった。警察が入り、スタッフを隔離、スポットテストを施したところ炭疽菌陽性反応がでたのだった。

あなたが政府危機管理監であるとして、何をするか?

1.ビル内のスタッフ全員にシプロキサンを暴露後予防内服させる。

2.ビルを閉鎖し、全員鼻前庭のスワブ検査を受けさせる。実際、このビルで働く数百人のスタッフは検査を受け、28人が陽性であった。

3.ダッシュルのもとに送られた郵便物中の炭疽菌とメディアに送られたものが同じであるか否かを確認する。粒子の大きさや純度などもそうであるが、遺伝子を調べれば相同性をかなりの精度で確認できる。フロリダ、ニューヨークではサンプルをCDCに送ったが、首都警察は、ダッシュルの事務所から採取されたサンプルと手紙を、メリーランド州にある軍の感染症研究所に送っている。これでは相同性を確認できない。CDCとFBIは情報を共有できていないことになる。月曜の晩には「非常に細かい粒子でできていて、簡単に空気中に散布される性質を備えている」という報告を受け、明らかな殺意が感じられた。

4.国会を閉鎖し、他の議員事務所、ホワイトハウス内に炭疽菌がまかれた形跡が無いか確認する。最近届いた未開封の郵便物は全て袋などにつめて別所に保管する。

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